初級デッサンの話 その1
デッサンは対象の形や様子を捉えて表現するのを目的としています。対象は目の前にあるものも、想像の中にあるものもありますが、デッサンの力をつけるにはまず眼の前にあるものを捉え、伝えることができるように表現する練習が重要です。具体的な形を表現できる方法を手に入れてからそれを手がかりにして想像した対象が表現できるようになります。対象の表現には対象の視覚的情報以外にも言葉による概念や図による概念を伝える場合がありますが、デッサンでは三次元の対象を見る視覚が中心になります。
デッサンは視覚であると言ってもやはりその情報を受け取るのは人間ですから人間が理解できる視覚でなければ伝わりません。対象の物体をとりあえず手っ取り早く説明するのにその容積と形態を表現する場合が一番多くあります。容積を伝えるのには対象を直方体と見なして縦横高さの3辺を伝える場合、円筒形と見なして太さと長さを伝える場合、球体と見なして直径を伝える場合が一般的です。この3つのアプローチがデッサンの場合の基礎になります。
直方体のデッサンは縦横高さの3辺が作る3面を表現することによって成立します。縦何センチ横何センチと一般に大きさを説明する時に使われる捉え方です。
円筒形のデッサンは円の直径と長さを表現することによって成立します。野菜や樹木など自然物の説明に多く使われます。また、皿や車輪などもこの描き方の応用です。
球形のデッサンは直径と光によるボリュームを表現することにより成立します。また、複雑な形、例えば花束とか葉の茂る樹木とかを説明する時に便利な考え方です。
デッサン力があるかないかで、絵の面白みがすっかり変わります。
これから定期的に簡単な基礎のデッサンをこのブログで説明してゆく予定です。時々、覗いて見てください。
大倉山音楽美術センター 絵画クラス
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