立方体を描く 初級デッサンその2
透視図法の原理は前回説明しましたが、実際のスケッチでは製図ほど厳密ではありません。厳密ではなくてもおおよその方法があります。対象が小さいか、遠くから見てるときは消失点は遠くになるので、立方体の稜線は平行線に近くなります。それに対して接近して見たり巨大だったりする立方体は消失点が近くなり、かなり急な角度が生まれます。
平らな台上に置かれた立方体は斜めに見える稜線の一本の角度が判れば、目の高さとの関係で、それと平行な稜線の角度が割り出せます。描いている用紙の遠くに消失点があることが多いので、目測しにくいことが多いのですが、対象を見る視線の高さは描いている人の目の高さなので、用紙からそれほど離れることはありません。水平な台上の線は目の高さになると全て水平線と同じになります。角度ゼロです。稜線の角度は目の高さに向かって均等に分割されます。
それではもう一度立ち返って透視図法の消失点を描いているときに見つける方法を説明します。立方体を描いている姿勢で立方体の稜線と平行に手を伸ばし目の高さを指さしたところがその稜線の消失点です。二点透視図法では左右に消失点ができます。
実際に見る立方体は三点透視図法や球面投影に近いものですので、正確に測ったところで、二点透視図法の立方体と一致はしません。元々、モチーフの中心を見るのと周辺を見るのでは視線の角度が異なるので、同一の視線での2辺の角度を見ることはできないでしょう。そこで、両手に二本の棒を持ち、それぞれの角度を固定して消失点を見つけるという方法もあります。
棒は視線に対して直角にして、透明なガラスのような平面を透して対象を見ていると考えます。二点透視図法ではその平面は地上に垂直に立てられていると考えます。すると二本の棒は目の高さで消失点を示すのがわかります。
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