横浜 絵画教室 / 純粋絵画

query_builder 2025/02/01
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ミスティックレイクの日没

遠くの丘が亀の形に見えたり、空の雲がラクダに見えたり、古い木の瘤が人の顔に見えたりするのを仮象性といいます。青い壁が海原に感じたり、青空に感じたりするのも色彩の仮象性です。実在しない対象をその場に表現できるのが仮象性です。絵画の面白さはこの仮象性に基づいています。仮象性と同じように実在しない対象をその場に表現する象徴というのもあります。仮象性と象徴性は形についての意味の二様ですが、絵画は主に仮象性の面白さが根本にあります。仮象性は見たままのイメージなので時代、地域を超えて普遍性を持つのに対して、象徴性は文化的なコードで地域や時代、民族や集団によって表現するものが異なります。男女記号やハートマークなどの記号も
象徴です。形象として浮かび上がったか形が象徴や記号である場合も直接自然物である場合もあるので、絵が何を表しているのか分かりづらい場合も生まれてきます。ルネッサンス研究で盛んなイコノクラフィーなどは絵画の本筋と言うより、派生的な絵画と言えるでしょう。モネのジャパニーズブリッジを見る度にモネは純粋絵画の探求者であったと感銘を受けます。モネの絵に絵画の究極の要素を感じるのです。色彩と形体が仮象としてあること、もしくは何らかの対象物を感じさせる色彩と形体でであることに収斂してゆくのです。モンドリアンは追求の結果、対象性から逸脱して抽象絵画に行きましたが、モネは対象性に踏みとどまり絵画としての色彩、形体であることに固執しました。モンドリアンはデザインへの道筋を示しましたが、絵画の魅力としてははっきり逸脱です。激しく熱気を帯びた色彩の渦の中から光輝く水面が現れ、新しい空間へ導いてゆく筆の動き。必要な要素だけで成立した純粋な絵画とはどのようなものであるのかを突きつけられた思いがします。

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